○○館の殺人
テーマ:ショートショート
「『体育館の殺人』って知ってますか?」
「ああ、鮎川哲也賞をとったミステリだろ。作家の名前は青崎なんとか」
「青崎有吾さん。若い人ですよね。傘一本を使った論理がすごかったです」
「なんか、新刊出たんだろ」
「『水族館の殺人』。綾辻さんのように『○○館の殺人』としてシリーズ化するんですかね」
「そうかもな。じゃあ、次回作を予想してみるか」
「『図書館の殺人』。これ絶対ありそうじゃないですか」
「いいねえ、図書館の書庫で人が殺されている。
え、こっちに死体ないぞ、しょこじゃないです、って師匠が言う」
Powered By 画RSS
「なんか、おやじギャグ(死語)、入ってるんですけど」
「スルーしてくれ」
「はい、スルーします。あと、『美術館の殺人』。これ、きっと、ありますよ」
「名画の前で裸でへんなポーズとって死んでるんだよな。フリーメーソンが出てきそうだ。
自由に瞑想する団体だから、フリー瞑想ってね」
「もちろん『映画館の殺人』もありますよね」
「こりゃまた、見事にスルーするーね。くっくっく。
映画館で殺人事件って、ええがいね~」
「一気にいきますね。『博物館の殺人』『科学館の殺人』『文学館の殺人』『記念館の殺人』」
「よし一気に行くぞ。『金沢文芸館の殺人』『海みらい図書館の殺人』『鈴木大拙館の殺人』『石川県立図書館の殺人』『ふるさと偉人館の」
「なんでそこ、金沢のガイドブック見てるんですかー。
あ、でも『異人館の殺人』ありかも」
「異人館に連れられて逝っちゃった~、って童謡殺人?」
「『昆虫館の殺人』もいいなあ」
「虫だけに無視すんな~。
よしじゃあ、これはどうだっ。
『キラー・カーンの殺人』、『チャカカーンの殺人』、『ブラウンカーンの殺人』」
「『旅館の殺人』って字足らずでした。でも単に湯煙殺人旅情みたいな、きっと2時間ドラマっぽい展開ですね」
「だからね、ブラウンカーンって、ブラウン管ね。でもいまどきブラウン管って言っても通じないし」
「『秘宝館の殺人』。なんか卑猥かも~」
「『玄関の殺人』っていきなり玄関で殺されてるよ」
「あ、忘れてた、『大使館の殺人』。スパイ物っぽいかも」
「あ、忘れてた、『遊学館の殺人』。バトンで殺されるやつな」
「それ、怒られますよ」
「じゃあ、『遊○館の殺人』で。『○学館の殺人』でもいいけど」
「同じことですったら」
「バトンの代わりに、バットや卓球のラケットで殺されてもいい。
卓球と言えば、『体育館の殺人』のワトスン役、卓球部だったよな。
あ、なんか話、まとまった感じしねぇ」
「全然まとまってません。でも、そろそろ出尽くした感があるんで、やめませんか」
「いいな、それ。『出尽くした感の殺人』」
「はい、おあとがよろしいようで~」
●引用元:「日曜は勝手にショートショート」
最新情報!!
コメント
コメントする